「あ、直樹と隼人もいんじゃん?」


手を振ろうとする陽介の腕をつかみ、反対方向に引っ張った。


何でこんな所で!?


久しぶりに見た直樹の姿に、心臓がバクバク鳴り響く。


小走りになりながらエスカレーターを上る。


「…なぁ?お前何で直樹のこと避けてんの?」


…避けてるわけじゃない…わけでもない…。


何でって聞かれても、答えにくい。


言い訳が見つからなく黙り込む私。


無言のままマルキューを出ると、陽介はタバコに火をつけた。