…それに、過去を知られたくない。


母親のことも、それ以前のことも、話したくない。


だけど、きっと話してしまう。


甘い笑顔に助けを求めてしまう。


結局折れない私に、お金は後で払うからファミレスに入ってろと陽介が言ってくれた。


施設から近いファミレスじゃバレるだろうなぁと、トボトボ歩きながら駅前のファミレスまで行った。


気持ちが落ち着いたからか、陽介が来てくれる安心感からかは分からないけど、電話を切ってから足のザワザワする感覚も、何かに追われているような感覚もなくなった。


だけど、施設に戻る気にはなれない。


このまま逃げてしまおうか。


来年キャバクラか風俗かで自立するなら、今それをしたってたいして変わらないんじゃない?


そんなことを考えながら、アイスティーにミルクを入れてかき回した。