「ねぇ、お腹減ったね!次で降りてご飯食べようよ」


いずちゃんの真剣な目から視線をそらし言った私。


いずちゃんが何を言おうとしてるのか予想がついた。


聞きたくない。


…そう思ってしまった。


「あ、うん、そうだね」


チラッと見たいずちゃんの顔は、困ったような笑顔を浮かべていた。


私は何てズルいんだろう…。


自分の気持ちも認めていないくせに、いずちゃんが話してくれようとした言葉も聞けないなんて。


聞いてしまったら、自覚しそうで怖かった。


だけど、そんな気持ちすら気付かないフリをしていた。