「由亜は死んだ。
そして、俺たちは生きてる。
悩んでいても仕方ない、前に進まないと。
由亜だってそれを望んでいる」




わかってる。




進まないといけないこと。




きっと、由亜だってそれを望んでいる。





でも、納得いかない。




「もうわかったから、今日はそんな話するために集まったわけじゃないから」



直斗が間に入る。



「ごめん」



私は、直斗に謝る。



私は、平静を取り戻そうと深呼吸する。



快斗を見ると、何事もなかったかのようにジュースを飲んでいる。




快斗のことがどんどんわからなくなった。




「俺は、死ぬことなんか怖くない。
今ならわかる、由亜のあの時の気持ち。
みんなに同情されて、はれ物みたいに扱われる。
嫌だけど、実際無茶をすることもできない。
そして、自分が病気だっていうことを思い知らせれる。
俺は、自暴自棄になんかなってないよ。
死ぬかもしれないって思うことで、今生きていることが、以前よりも充実してる」




…。




快斗の目がじっと私の目をみている。




怖い。




「快斗。もうその話はやめておけ」



直斗が快斗をにらみつける。