「果菜、もう来てたんだ」


直斗が帰ってきた。



「うん」



直斗は、スーツ姿だった。



「着替えてくるから」



直斗は、隣の自分の部屋に入っていった。



そういえば快斗って今は何をしてるのか疑問に思った。



高校を卒業してなにをしてたのか。



色々な疑問があふれてきた。



由亜のお葬式後からのことは何も知らない。




「…快斗って、仕事はなにかしてるの?」



思い切って聞いてみた。




「大学生」



「…?」



「驚いた?高校卒業して大学に入学したけど、この病気になったから辞めちゃって。
でも、やっぱりまた勉強したくなって入り直したわけ」



「そうなんだ。
体調は?」



「いいよ」


普通の会話。



普通すぎて不自然。



高校生の頃より自然に話ができている気がする。



お互い大人になったから。



由亜の死から時間がたったから。



まだ、お互いの探り合いをしているから。



時間がすべてを解決するとは思えない。