「なっ…なに?」

急に引っ張られたからびっくりした

「見て向こう」

南くんは指を差していった

私はいわれるがまま窓の向こうをみる

「うわぁ…」

そこには大きな夕日があった

世界を飲み込みそうなくらい大きくて

輝いてる

電球何千個あってもきっとこんな風に輝けない

「綺麗…」

その言葉しか出てこなかった

「…この夕日はちょっと特別な夕日なんだ」

「特別?」

「あぁすぐ山に隠れて見えなくなるんだ」

「どれくらいで?」

「10分くらいかな」

「へぇ短いんだね」

「短い…でもだから輝きがよけい綺麗に見える」

笑顔で夕日を見ながら話す南くん

その横顔は夕日に負けないくらい綺麗ででもなんだか寂しげな感じ

でも私はずっと見ていたいと思った