「すいませ〜ん!」


遠くから走ってくる人。


もしかしてこのゴールデンレトリバーの飼い主さん?

「その子ウチのワンちゃんなのよ。」


「ワンッワンッワンッ!」

ゴールデンレトリバーが走ってきた女の人に嬉しそうに駆け寄る。

「ウチの子捕まえてくれたのかしら?ありがとう♪」

『いえ…』


私は見とれてしまった。

あまりにもその女の人が綺麗だから……

「ポチ!ダメでしょ!

この子いつもこの土手にくるとはしゃいじゃって、1人で突っ走っちゃうのよね〜。」

『…』


「???
私の顔に何か付いてるかしら?」


『あっ…
いえ、何もついてません。。すいません…』

あまりにも綺麗だからジッと見過ぎてしまった。

「そぅ…

あらヤダ!もうこんな時間!!そろそろ行かなきゃ!
それじゃぁ。

ポチ、行くわよ。」


ポチと女の人は行ってしまった。。


嵐のように去っていった2人。

2人の後ろ姿を見ながら、しばらくボーっとしてしまった。

そうしている間に入学式の時間がせまってきていた。

私は小走りで学校へ向かった。