☆

スタスタと歩道橋を歩いていると、誰かに呼び止められた。

振り返る。

ものすごく好みのツボな男の子が、こっちを見てた。

そこで、商品を広げて、何か売ってるらしい。

けれど、その目が、ただモノじゃなかった。

ニッコり笑ってるのに、あらがえなくて。

あたしは、そっちに引き寄せられた。

「くやしくない?」

彼はあたしにささやいた。

雑踏で、小さな声で。

でも、綺麗に聞き取れた。