帰ってその、鏡を見た。
中を覗き込む。
って言うより、その縁取りの綺麗さに、先ず引き込まれてしまう。
と、
写っているモノを見てなかったあたしでも、違和感を感じた。
自分と、鏡の中身が、違う動きをした気がした。
見る。
と、何かが、そこをくぐって出てこようとしていた。
うわっ。
驚いて、腰をぬかす。
その目の前に、あの時、鏡をくれたヒトが立っていた。
「久しぶり。オレの従者」
ニッコリと、今、何て言った?
じゅうしゃ?
何だ?
従う者、の従者?
えっ?
「これから、仲良くしよう」
「って・・・」
「心配するな。妖しいモノじゃない」
いや、めいいっぱいあやしいから。
「オレは、ただの悪魔だ」
ただの・・・悪魔って・・・・
「オレのことを受け入れる発言をされて初めて、契約が成立する。
やっと今日、オレは受け入れられた。・・・仲良くしよう、なっ?」
・・・そう、ですか・・・