ふわりと背後から、生暖かい温度を感じた。

 振り返ろうとして、止めたのはどうしてだろう。

 「あこ、」

 「また、泣かせたね。」

 苦しそうな声に、頭が騒ぐ。

 鴉孤だ。嬉しいのに涙が溢れてくる。

 「…あこ、長門に負けたの、本当?」

 「…負けてない。」

 「けど長門が、」

 「負けてない。」