「いい?美姫。本当のお仕置きはこんなもんじゃないからね」
「……。」
「美姫はすべて俺がもらうから」
「え…?」
すると、リクトはまた近づいてきた。
また、キスされると思い、ギュっと目をつむると頬にあったかい感触が伝わった。
何かと思いゆっくり目を開けると、さっきとは違う思わずドキッとするような表情をしたリクトがあたしの頬に手をピタっとくっつけていた。
「リクト?」
あまりにも不自然なのでリクトの名前を呼んだ。
リクトはそのまっすぐな瞳であたしを見る。
リクトの目は、本当にキレイ。
深紅の目。
まるで、なんでも吸い込んでしまうような。
今も吸い込まれてしまいそうになる。
「美姫。俺さ」
「なに…」
「お前のこと、好き」
「え!?」
「なんか、初めて会った時から。この子だって思ったんだよね」
「……はあ…」
「だから……美姫だけは……変わらないでいて?」
そういうと、あたしの頬から手をはなし、部屋を出ていった。
……え!?
なになに!???
いまのって…告…白?
あたしは、状況が呑み込めず、しばらく石造のように固まっていた。