「お前の成長には日々驚かされる。下手すれば俺より強いんじゃないか?」
腕を組みながらコーチは
感心するように首を何度も縦にふった。
「アハハ、なにいってるんですか?
まだまだコーチには遠くおよばないですよ。」


短く切り揃えられた髪をかきあげ、はにかむように笑う。


「キャャャャャー!!!」「見た?見た?」
「髪をかきあげたお姿、
はにかむように笑ったお姿、
「「「お美しい」」」」

ある女生徒は、叫び、ある女生徒は、友達と手を握りあって跳び跳ねる。


「(こいつの人気は、あいかわらずすごいな、まぁ確かに女にしては強いし、カッコイイし、一体何者だ?紅光は…)」


冷静に周りを観察する能力を持つ我が部のコーチこと、石神渡。


そして、女生徒達からの圧倒的な人気を誇る我が部の期待の星こと、紅光。



「(まぁみてるこっちはおもしろいけど)」
面白いものを見るようにニヤリと笑った。


ふと自分の腕時計を見る。
「(5時半か、そろそろ時間だな)」


キンコーン カンコーン

下校時間30分前の合図。


「もう練習終わりなのね」

「もっと光お姉様を見ていたかったわ」


口々に女生徒達は不満の声を漏らす。


?「(あいかわらず凄い人気、さすが私の光)」

それを陰からみている銀髪の長い髪の少女。