「キャー!!!」

「素敵!!!」
パシャ、パシャ

体育館に児玉する女生徒達の声とシャター音。
どうやら、柔道部の練習中のようだ。
しかし、女生徒達は一体どうしてこれほどまでに興奮しているのだろうか?


女生徒の視線を釘付けにしているのは……


「ハアアアアアアア!」



ドカン

美しい黒髪に映える紅い瞳をした人物が、自分よりもひとまわり大きい相手を投げ飛ばした。
「キャー!!!!!!!!!!!!!!!」

さきほどよりも数倍高い叫び声、


女生徒の視線をくぎづけにしているのは、どうやら黒髪の人物のようだ。

この人物は、
男? いや女だろうか?

髪は短く切り揃えられているが、周りの男子生徒達と比べるとあきらかに違和感がある。

胴着から伸びる細い手足、キリッとした顔立ちであるがじっくりみると美しい顔立ちであることがわかる。

だが、醸し出すオーラには強さが感じられる。

パチパチパチ

「さすがだ、光」

遠くからみていたのであろう、体格の良い男性が拍手をしながら少女光の元へやってきた。


「コーチ!!!」

どうやら男性は柔道のコーチのようだ。