「わっー!! 速い 速い」

約束通り二人はドライブをしていた。

ブワン ブワン


激しいエンジン音、風をきる速さ、少女の美しい黒髪が風になびく。

そう二人が乗っているのはバイクだ。


はしゃぐ少女に少年は注意をするはしゃぎすぎだと。

すると少女は


「だって…空と一緒に出かけられて嬉しかったんだもん」

少女は頬を膨らませながら恥ずかしそうにぼそりと言った。

思いがけない言葉を聞いた少年空が顔を紅く染めたのは言うまでもない。



激しいエンジン音が止まったのはしばらくしてからだ。


「ちょっと休憩しよう。
飲み物買ってくるからここで待ってろよ」


わしゃわしゃと乱暴に髪を撫でる


「もー!!子供扱いしないでよ!」


後ろから怒る少女の声が聞こえた。



自分一人だと無性に寂しくなるのは人間の本能だろうか?

空がいなくなって一人という空間が寂しく感じた。


「(早く帰って来ないかなぁ)」

そんなことを思っているときだった。