いや、何でって言われても…
顔合わせづらいからなんだけど、そんなこと言えないし…
奈緒、花、助けて〜!
そんなことを心で思ってる時、扉がガラッと開いた
奈緒、花!?
二人がナイスタイミングで来てくれた
と思った
けど、実際は違う
私を大人数の女子と一緒に囲んでいた、ストレートの髪の子と、ポニーテールの子だった
期待していたのがハズレ、ガックリと肩を落とす
すると、私に気づいたポニーテールの子が
「ねぇ、ちょっと来てくれる?」
と、満面の笑み私を手招きしながら呼んだ
「え、え?
でも…」
またこの前みたいに囲まれたり、突き飛ばされたりするんじゃないかと、不安で戸惑っていた
けど、ストレートの髪の子が日向くんを通り過ぎて、私の耳元で
「大丈夫よ
この前みたいなリンチはしないから
廊下に出てきてくれるだけでいいの」
そう、ボソボソと言ってにこやかに私の返事を待っている
まぁ、廊下だし……
大丈夫かな?
そんな甘いことを考えた私は、日向くんに
「ごめん、ちょっと行ってくるね」
と言って、女の子たちについて行った
もちろん、顔は合わせずに…
「あ、あぁ」
さっきまでの元気が無くなったかのような気の抜けた返事
チラッと日向くんには気づかれずに、顔を見てみた
日向くんは、すごく不安そうな顔をして私が行く後ろ姿を見送っていた……