「な、なんでこのタイミングででてくるの…!?」



花は驚きながらもなお、北条くんに聞く



「な、何でって!?
これ…」



少し顔を赤くして横を向いた北条くんが、スッと私の前に何かを差し出した



「なに?」



見てみると、それは濡れたハンカチだった



……?



「野崎、足ケガしてたからさ…
よかったらこれ使えよ」



私の手の平にポンッと乗っける



今そこの蛇口からぬらしてきたのかな?



少し冷たかった



「ありがとう」



と、笑顔で言う



「い、いや…」



右手で顔を隠して、北条くんは赤くなりながら照れる



私はその場にしゃがみ、ケガしている方の足を出して、キズ口を軽く拭く



照れた後の北条くんは、渋い顔をして痛々しそうに私のキズ口を見ていた



そして、私のケガを見た奈緒は



「ちょっ!
大丈夫、光!?」



声を上げて私の隣へきて、手に持っていたハンカチを奪い取り、優しくキズ口にハンカチを押してくれた




…キズといっても、ちょっとすりむいて血が出ただけで、大したことはない



とゆーより、私は北条くんが言ってくれるまで、このキズには気づきもしなかった



やっぱり、ちゃんと回りを見て、人を思いやれる人なんだ…



「意外…
本当にあの北条くんが気を使ってる…」



口を開けたまんまの花が突っ立って言う



やっと信じてくれたんだとわかり、私は小さく微笑んだ