「光」




名前を呼んでガタッと立ち上がった北条くん



私の方を向いて手を差しのべる



「……?」




何なのかわからなかった




首をかしげながらその差しのべられた手を見ていたら



「光、俺と付き合って?」




と言われた



えっ……



と思い、顔を上げると北条くんは少し赤くなって笑っていた



付き合って…



そういえば、今まで北条くんが私のことを好きだって言ってくれたのに、私その言葉にちゃんと返事をしてない



北条くんが本気だってことは、二人で家にいた時にわかってたのに…







北条くんは本当に私なんかでいいのかな…?



「私、日向くんのことまだ忘れられないんだよ?」



「うん…」



「まだ日向くんが好きなんだよ?」



「うん」




「こんな…私でもいいの…?」



私の目から自然と涙が溢れてきた



そんな私をギュッと優しく抱きしめてくれる




「光がどんなに日向を好きでも、全部受け止めるから…
光を振り向かせるためにがんばるから…」



優しい声…



暖かい体温…



「うん、うん…」





もう、いいよね?





確かにまだ忘れられないけど、新しい恋をしてもいいよね…?





「北条くん、ありがとう…」