「「あの……。」」
2人の声が被った。
「わっ。
ごめん。」
「うんん。
こっちこそ…ごめん。」
「「…………。」」
再び気まずい沈黙が2人の間にながれる。
すると先に竜が口を開いた。
「なぁ、単刀直入に聞くぞ?
前俺と同じ芸能科のクラスに居た、地味な奴って……
姫香……だよな?」
竜が少し戸惑いがちに、言いにくそうに言った。
「そうだよ?」
「だよな……。」
私の事を竜はどう思うんだろう?
嫌いにになったかな?
もう話し掛けてくれなくなるかな?
そんな事を考えてる自分に嫌気がさす。
私には月夜がいるのにーー……。
そんな事を考えていると竜が私に向かっていきなり頭を下げて来た。
「えっ?!」
「ごめん!!」
なに?
何々っ!?
頭がフリーズする。
竜はゆっくりと頭を上げて、気まずそうに、私から目を少し逸らしながら話し始めた。