「あの…誰にも言わないので、その手をはなししてください。」

そう言うと、大人しくはなしてくれた。

なんだ、気のせい?


「じゃあ、重森さんなくさないように気を付けてね?」

そして、声を少し低くして私にしか聞こえない声で

「いろいろとね?」

そして、私に向けてきた王子様スマイルというより普通の女の子なら失神するであろうきらっきらの笑顔。


ワタシハダマサレナイ


そのまま奴は帰って行った。

「なーんだ、落とし物届けに来ただけかぁ、やっぱ橋本君って優しいんだね。」

「そうだよ、地味子なんて、興味ないよ。だって地味子だもん。」
今地味子って2回言う必要ありましたか?
大事な事なので、2回言いました的なやつ?


私はそこに立ったままで美那に肩を叩かれた。