そしてその日から美羽さんは私に、化粧品の知識や接客のマニュアルなどたくさんの事を教えてくれた。


美羽さんはとても親切で私は美羽さんの事が大好きになった。



普段店長の中尾さんは本社に行ったり、新作化粧品の説明会に行ったりで店にいないから、仕事中は美羽さんと2人きりが多いんだ。


だから私達はすぐに打ち解けた。




『美羽さん、彼氏いないんですかぁ?』



「彼氏?残念ながらいないんだ〜」


『いないんですか!?そんなに美人なのに…』


こんなに美人でスタイルも良くて優しい人でも彼氏いないんだもんなぁ…

私に彼氏が出来るのはいつになる事やら…




「そりゃ私だって彼氏いた時期はあるわよ。ただ今はいないだけ。っと言うよりは作らないって言った方がいいかしら」



『作らない?』


「実はね…忘れられない元彼がいるの。1年も前に別れたのにまだ次に進めなくてさ…で?愛ちゃんは?彼氏いるの?」


『えっ!?私ですか!?いないいない!!』



「好きな人も?」



『えっ!?』



私は恥ずかしくなって思わず黙ってしまった。



「その反応はいるんだ〜」


美羽さんは笑いながら私の顔を覗き込むように見てきた。