私を乗せた彼は運転席に乗り込んだ。


「えーっと○○町だっけ!?」

さう言いながらシートベルトを締める彼。


『…はい。すいません…』

そして車は発車した。


「今日は何?パーティでもあったの?」


『えっ!?』


「いや、君の頭…」


『…あっ!?』


私は私服を着ているものの髪型は卒業式のまま…。


髪型だけ不自然だもんね…


『今日、短大の卒業式だったんです。』


「あ〜ぁ、卒業式かぁ。おめでとう!!って事は二十歳?」


『はい…』


「若いなぁ〜うらやましい〜俺なんて25だよ。四捨五入したら30…。あっ!!自己紹介遅れました。俺は野本樹(ノモト タツキ)」


樹…

いい名前…


そして車は赤信号で停まった。

「君は?」


『あっ私は…池内 愛…です。』


私の名前を聞いた彼は少し驚いた反応をしたような気がした。


「よっよろしく!!」


そう言って私に向かってニコッと微笑んだ。



ドキッ!!


さっきまでじっくり顔見てなかったけど、よく見るとこの人…




カッコいい…