「俺さぁ、母親いないんだ。俺が小学1年の時に離婚してさ。親父は仕事が忙しくて家にいなかったし…寂しかったんだろうな…男作って出て行ったよ。当時は俺もまだ子供だったし置いていかれた事に腹が立ってさぁ。憎んでたよ…。この公園、休みの日は親子連ればっかでさ。みんな幸せそうに遊んでんだよ。俺はその光景が羨ましくて、悔しい気持ちになってしまって…だからずっとこの公園が嫌いだった。でも、こないだ久々にこの公園の横を通りかかったらさ。不思議と幸せな気持ちになったんだよ。あの頃の憎しみなんて嘘のように消えて…俺も結婚して子供出来て家族で幸せに暮らしたいって思えたんだ。」



彼の話を聞いていた私の目から涙がこぼれた。



「えっ!?泣いてるの!?」



気付いた彼はかなりびっくりした。



『ごめんなさい…実は私も片親だから…うちは母子家庭なんです。私が中学の時に父は病気で亡くなったんです。』