『知香…寝てんのか?』


聞こえてきたのは聖夜の声だった。


あたしは布団をはいで聖夜を見た。




『何で泣いて…』


『あんたのせいでなにもかもめちゃくちゃや…あの子のせいで…っ…ぅ…』


『知香…』


『今日朝からずっと何してたんよ!昼も夕方もずっと何してたわけ?今の今までずっと何してたんよ…』


『お前が緊急手術になったって聞いて…手術室の前まで急いで行ってん…そしたら陸に殴られて…京子ちゃんらにも…帰れって…』




聖夜の顔をよく見ると、頬は青くなって、口元にも腫れがあった。



陸…仕事の同僚やのに…。



『そんなこと聞いてない。朝から何してたんか聞いてんねん…』


『ごめん…』


『だから謝ってもらっても困るねん。何してたのか聞いてんねんけど』


『ごめん…』


『なんなん?ハッキリ言ったらいいやん…あの子んとこおったってハッキリ言ったらいいやんか!』




あたしは…

発狂っていってもいいぐらい大声で叫んだ。