『聖夜はあたしの体よりあの子の命のほうが大事やねんな。分かった』


『なにゆうてんねん!知香の体も大事やしあいつの体も大事や。だいたいお前…そんなん比べるもんちゃうやんけ…』






は…い?

比べるもんじゃないって?

誰が比べてんのよ…





『あんたがずっと比べてんねやろ?どっちが大事なんか分からんから…だからあたしにもあの子にもどっちにもいい顔して…せこいねん…最低や…』




涙はどれだけ流しても止まらなかった。




『ちゃう。俺…お前のことが好きや。ほんまにお前のことだけが好きやねん…信じてくれ』



聖夜は初めてあたしに涙を見せた。



あたしはかなり動揺した。



自分の好きな男があたしの目の前で泣いてる…。



この時の涙に何一つ嘘がないと思った。



だから…