『知香ちゃんもさ、色々あるけど…頑張ろ。人間生きてたらいつかいいことあると思うから』


『うん…死にたいとか思ったら失礼やんな…死にたくないのに亡くなってしまう人もおるんやし』




ガチャ…


あたし達が話していた時、病室のドアが開いた。

聖夜が…帰ってきた。







『あれ?何してんの看護婦さんも』


『あ…病室の巡回してたんやけど知香ちゃん起こしてしまったみたいで…じゃあ私はそろそろ戻るね』



千春さんはそう言うと病室を出ていった。





聖夜は何も気付いている様子はなく、いつもと変わらない聖夜だった。




『どこ行ってたん?』



あたしはドキドキしながら聞いた。




本当のことを言うはずもないのに────