(コンコン…)
夜八時前になった頃、病室のドアがノックされお父さんが入ってきた。
あたしと聖夜はビクッとした。
『知香、検査結果聖夜くんにも聞いてほしいんやけどいいか?』
『いい…よ』
あたしはドキドキしてつばを飲み込んだ。
『奇跡や…』
『えっ…』『え?』
あたし達二人は顔を見合わせた。
奇跡…?
『骨髄の型が一致した。お父さんもほとんど諦めてたんやけど…ピッタリ一致したんや。半分お父さんの同じ血が知香にも香織にも流れてたからなんかもしれへんな』
まさか…
そんなことって…
奇跡としかいいようがなかった。
いくら半分同じ血が流れてるからとはいえDNAは全く別ものなんじゃないの?
嬉しさと複雑な気持ちが交錯した。