「莉依紗?呼んだか?」


入ってきたのは.....。


「はい、お父様。お久しぶりでございます。」


丁寧に挨拶をした莉依紗様にならい、俺と国松さんも一礼した。


確か.....山岸辰彦警視総監。


昔一度だけあるパーティーであったことがある。


莉依紗様はこの方のお嬢様だったのか.....。


「何の用だ。急にここに来て。最近こちらには顔を出さないではないか。」


「学園の仕事が溜まっておりまして。今回来たのは秋本ユリの居場所が分かった為でございます。」


「なんだって!?」


そう言ったのは俺だ。


そんな俺を冷たい眼で見つめる莉依紗様。


「驚くのは無理ないけどもう少し態度を慎みなさい。」


「申し訳ございません....。」


俺としたことが....…。


莉依紗様は俺を一瞥し、また警視総監の方を見た。


「学園にいるらしいのです。」


「学園の中は今捜査中だ。お前の勘か?」


「違います。お父様が調べるとおっしゃったからご報告に上がったのよ?

さっきユリさんと電話がつながったの。お父様たちは“地上”を探してるんでしょ?」


「そうだ。お前は地下にいると言いたいのか?」


「えぇ。」


あの学園なら地下に部屋とかあってもおかしくないが....。


「地下に行く入り口なんてあるんですか?」


俺は気になったので聞いてみた。


「あることは知っているし、代々学園長に受け継がれている学園の鍵に地上に部屋用ではない鍵があるから存在は知っているわ。

だけど、詳しいことは全くわからないけど。」


「莉依紗、ユリのことはお前に任せてもいいか?」


少し驚いた様子を見せた。


「お父様が調べると仰ったじゃない!どうして私を?」


「ここまでお前の力量は相当のものだ。自信を持て。」


ーコツコツ


「ではこれで失礼する。」


パッと敬礼をし部屋を出た。


国松とともに3人で見送った。


-葵side end-