「誰に聞いたのかしら?私の名前は。」


「浅井夏菜がさっき教えてくれました。あなたが許可してくださったそうで。」


「そうよ。ならいいわ。ここで話すよりいい部屋があるわ。そちらへ行きません?」


今授業中だよな....。


まあいっか。


「ちなみに授業は....?」


「あら。言うまでもないじゃない。今すでにサボってるんだから関係ないでしょう?」


ニヤリと笑った学園長。


「大丈夫。私に会ったと言ったら必ず帳消しになるから。いや、せざるを得ないわ。」


さすがだな.....。


「今からあそこへ行くわ。」


「あそこってどちらのことでしょうか?」


「お、奥様...。」


竜也さんが少し動揺した。


「大丈夫。もう部屋を借りてあるから。

それにあなた、さっき夏菜さんと話しているとき、真理亜の部下にあとつけられていたわよ。」


「やっぱりそうなんですか....。」


だろうとは思っていたが。


「葵様。これを付けてください。」


差し出されたのはアイマスク。


これをやれと?


「行く場所が分からない方が楽しいでしょ?」


「はぁ……。」


俺がアイマスクを受け取ったのを見て、莉依紗様は踵を返した。


「り、莉依紗様?」


「まぁ~見てて。」


学園長室の奥の扉を開くと....。