「奥様。追い出しました。」


「ありがとう、国松。大樹が来たってことは秋本家関係で何か連絡することがあるんでしょ?」


「はい。その通りでございます。」


やっぱりね。


じゃなきゃ大樹は来ない。


仕事が常に忙しすぎるから。


「皆さんがお越しです。」


「あの人たちよね?…………いつも会議に来ない大樹が来たのもそれで?」


「あぁ。」


「国松。すぐ行くわ。支度するから外で待ってなさい。」


「かしこまりました。」


国松は部屋を出て行った。


「俺はいてもいいよな。りい?」


大樹………いつの間に戻ってきたのよ!!


「良いわけないでしょ!大樹も出て!」


「しょうがねぇな。俺が脱がせてやろうと思ったのに...。」


「非常事態でそんなこと言わないでちょうだい!!」


私が怒鳴ると大樹は渋々出ていった。


私はすぐに黒のドレスに着替えた。





「終わったわよ。待たせて悪かったわ。」


「大丈夫だ。よく似合ってるな、りい。じゃあ行くか。国松、食事会場だろ?」


「いいえ。密会室でございます。」


機密なお客を呼ぶときは密会室にお通しするの。


学園長とその重要な関係者しか知られていないから警備の面では全く問題ない部屋なの。


でも長いこと使われていなくて、掃除は竜也がこっそりしている程度かしらね。