ーコンコン


あら、もう来たの?


会社から屋敷まで30分は離れてるのに....。


相当飛ばしたわね?


「奥様!!」


雷也が慌てて入ってきた。


「お嬢様が....。」


嫌な予感。


「ユリが………どうかしたの?」





「亡くなられた、もしくは行方不明でございます。」





「……………え?」


膝の力がガクンと抜けた。


へなへなとしゃがみこんでいく。


かろうじて左手がテーブルに乗り、体を支えている状況。


すぐに駆け込んできたメイドが私の体を支えてくれた。


「嘘でしょ?」


「嘘だとお思いなら裃へお越しください。」


雷也の真剣な顔。


これは本当.....。


あの子は....。


ああ………私は社長に顔が見せられない....。


「雷也....。どうすればいい?」


「私と兄貴と一緒に裃へ行きましょう。」


「あなたの兄貴って......。お姉様の執事よね?」


「竜也です。莉依紗様の執事なので何の許可証もなしで大丈夫ですので。」


「分かったわ。支度は後から必要なもの持ってきてくれたらいいから。」


「畏まりました。」


とりあえず....話を聞きに行かなくては。


お姉様....。


-沙那side end-