-夏菜side-


高澤くんが部屋を出た。


「やっぱり葵様と真理亜様ってお似合いよね。」


「ほんとですわ!」


そんな会話が聞こえてくる。


高澤くんと似合うのはユリなのに....。


ユリのよさがあなたたちには分かるはずないよね...。


「暗い顔してんな。」


「玲央....。」


どうやって女の子を払ったか分からないけど、玲央の回りには1人もいなかった。


「あの2人....。大丈夫だと思う?」


「微妙。しかし、さっきから兄貴とユリが見つからない。」


「嘘....。」


まさか。


「あれかな?」


「俺も思った。」


玲央は私とユリと同じ華道をとっているのでさっきの私とユリの会話は聞いているはず。


理穂と一緒にどこかに行ったことももちろん知ってるよね...。


「どうしよう....。あの子は自分で解決しようとするし....。頼ってくれるか分からない....。ごめんなさい、理穂さんに着いていかなかった私が....!!」


「落ち着け、夏菜。取り合えず行くぞ。」


「どこへ?」


「いいから着いてこい。」


玲央は私の手を引いて連れていった。


-夏菜side end-