-シルバーside-


寒いわね....。


そうよね、12月ですものね....。


「早く校舎に行かないと....。」


「誰に会うために?」


「え?」


どこから声がしたの?


「さすがは冷静沈着、容姿端麗。天下の学園長。」


この声は....。


「どうやって入ったのよ!不法侵入罪であなたの手に手錠をかけることになるのかしら?」


勝手に椅子に腰掛けているこの声の主は西月恵梨香。


あの真理亜の母親。


私の.....元親友。


かなりワケあり。


「しかし、さすがと言うべき?あんたそっくり!性格とか昔の顔とかもろそうじゃん!」


コイツムカつく.....。


「だけどあの子は....」


「待ちなさい!それ以上言ったら....。」


「言ったらなにするの?」


恵梨香はさも涼しそうな顔で答える。


「この足で直接真理亜に会ってくる。せっかく権力使って入れたんだから。」


「勝手に使わないでちょうだい!」


「あら?私にそんなこと言えるの?秘密ばらすわよ!

フフフッ!楽しい!あんたのその顔、私結構好きよ?」


ガチャっとドアが閉まったとたん、私は床にペタンと座り込んだ。


「奥様!?どうなされました?」


「国松.....。命令よ、ユリさんと真理亜を監視しなさい。あなたは一体どこにいたの?

今....勝手に私の部屋に恵梨香が来たわよ....。」


「大変申し訳ございません。急遽目を通せと言われている案件があったものでして...。しかしユリ様もですか?」


「悪いことをしないか見張るんじゃないわ。危険な目に遭わないように見守るだけよ。」


「かしこまりました。今すぐ手配いたします。」


嵐の前触れじゃなければいいけど....。


-シルバーside end-