数分経ち、紅茶が運ばれてきたと
同時に、衣都さんもやってきた。


「待たせてしまったかしら。」

衣都さんの第一声はそれだった。

「いえ、私も今来たところ何で・・・。」

戸惑いがちに答えた。

「そう、なら良かったわ。」

そう、お上品に笑った。
少しの沈黙が続く・・・。


そこに衣都さんが頼んだコーヒーが
運ばれてきた。


沈黙を破ったのは意外にも私自身だった。

「今日ここに呼んだわけって・・・。」

ためらいがちに私は言った。

「勿論、拓実の事よ」

ハッキリと告げた。