「大丈夫か?」
「うん・・・。
大丈夫だよ。」
「そうか・・・。」
帰りの車の中、重たい沈黙が続く。
まぁ、それもそうだ。
俺が他の女と婚約したって事になっていて、
運命は変えられないとまで言われた。
空気が重くなるのも仕方ない。
「拓実?」
ふいに呼ばれた。
「う、うん。何だ?」
「大丈夫だよ。
信じるって決めたから。
そりゃ不安が無くなった訳じゃないけど
何があっても諦めないって、ずっと一緒
って決めたから・・・」
大きく息を吸った。
「だから、そんな顔しないで。」
『ね?』と言いたげに俺の顔を覗き
込んできた。