「そんなにあ奴が嫌いか?

 でもまぁ、仕方がない。 
 もう決まったことだ。」

「決まったこと・・・ですか。

 いくらおじい様の中で決まって
 いたとしても、俺の中では違う。」
二人の間で火花が散っている。


「ほんとにそうかの?
 わしがマスコミに言ってないと
 でも思ったか?

 とんだ計算違いだな・・・。
 お前の婚約は世界公認だ。」
そう言って裕さんは笑った。

私はもうだめなんだと思った。


「なっ!!」

拓実もかなり驚いた声を上げた。

「遅かったな。お前と衣都の
 婚約は世界中が知っている。」

「嘘だろ・・・。」

「嘘だと言うならテレビを
 つけてみろ。」

そう言われて拓実がテレビをつけた。