私は琴原 美咲(コトハラ ミサキ)。

PM9:00

煌びやか服を身にまとい、私は飢えた男の相手をする。

ここ、

『cherry』

で。

有名な高級キャバだ。

私はそこで、人気NO.1として笑みを浮かべて接客。



「サキちゃんはかわいいなぁー」

「え~?そうですか?片瀬さん、お世辞がお上手ですねー」

「よし、サキちゃんのためにドンペリ頼んじゃおう」

「片瀬さん、大好きです~!」



なーんて。

あることないこと、ペラペラペラペラ。

貢がせて、翻弄して、冷たくして。

そしてまた、この店に足を運ばせる。

――私に会いに。

ちゃんと仕事をこなして、閉店時間になったら控え室に行って着替える。



「おっ、おっかえりー!魔性の小悪魔ちゃん、今日の出来はいかが?」

「フツーじゃない?美琥は?」

「フツー、かな」



そう言ってケラケラ笑う彼女の名前は佐伯 美琥(サエキ ミコ)。