羽瀬は驚いて目を丸くした後、あたふたと頭やら背中やらを撫で始めた。

「どっか打った!? そのせい!?」

「~~~~っ、・・・さ・・さわんないで・・っ」

「え・・あ、ごめ・・」

「心臓・・ぎゅうって握りつぶされてるみたい・・なる。羽瀬といると・・・痛い・・」

「・・・・・え?」


羽瀬は黙り込んでしまって、それでも私の腕を放さなかった。


「あ・・あの・・」


ちらりと、視線をあげる。


と。


「汐映」


突然、羽瀬が名前を呼ぶ。
固まるほどびっくりして、あの痛みは遅れてやってきた。


その痛みに耐えきれなくなって立ち上がる。
羽瀬の手は私の腕から手に移動していて、その手を放さないまま私を見上げる。



「ふっ・・・真っ赤」

「―――――っ!! ゆ・・夕日だよ!!」


真っ赤だと言われた顔を片手で少し隠して、夕日のせいにする。
でもわかってた。


多分本当に真っ赤だってこと。