すると、そこで勢いよく扉が開いて、びくっと肩が跳ねる。
同じく肩を揺らしていたらしい羽瀬は、とっさのことのように手を引っ込めた。


「汐映ーっ! 大丈夫・・って、ぎゃあぁぁぁ!!」

「なんだ、どうした伶!」

「うるさいんだけど」


伶はベッドに座る羽瀬を見て悲鳴を上げる。
後に続いて入ってきた2人も少し驚いた顔をする。



「ちょっとあんた―――っ! まさかあのバカ女から汐映に乗り換え・・っはっ! まさか寝込みをおおおおお襲っ!?」
「いやいやいやいや!! 落ち着け!!」


羽瀬の胸ぐらを掴んでテンパる伶の言葉を、半ばかぶせ気味で必死に否定する羽瀬。

面白くて、つい笑ってしまう。



「伶、何興奮して・・・いってぇ!」


伶のけりが静のすねに見事ヒットして、むしろけが人が増えた。



伶は私の教室で、私が保健室に行ったことを聞いて、2人に声をかけて来てくれたらしい。




「ありがとう」


お礼を言って、陽都が鞄を持ってきてくれていることに気づく。
実はもう放課後だったらしい。