「問1から順に前に出て解いて。じゃあ・・中里から3人問いて」


ちらっと中里君の方へ視線をやると、3人目は羽瀬だった。
ノートを持って席を立つ羽瀬と目が合う。
ツイてねーって、口パクして笑う羽瀬に心臓がぎゅうってなる。


「・・・・・いた・・」


ノートに目を落としてこっそり呟く。
吐き出す息が震える。



「あれ、呼吸ってどうやるんだっけ・・・」



胸のあたりをとんとんと、軽く叩きながら、目は何故か羽瀬を追う。
どうしたのかな私。


「柳下。どうした?」


「おわぁっ!! は・・はい!?」



突然顔を覗き込まれて思わず変な声が出た。

・・・・・恥ずかしい。


「何だお前、具合悪いのか?」

「い・・っ、いえ、大丈・・・夫? いや・・・やっぱり保健室に・・」

「おう、行ってこい」



笑い声の続く教室をこそこそと出て保健室へ行くと、先生はいない。


でもとりあえずベッド、借りようかな。


そう考えて真っ白なシーツに体を埋めた。