燈泉(トウセン)高校に入学して3カ月、最近変わったことと言えば“あれ”
同じクラスの友達咲(サキ)と、羽瀬(ハセ)が付き合いだしたこと。
当然と言えば、当然だと思った。


入学式、咲はお父さんが来たし、羽瀬はお母さんが来た。
2人とも親が再婚していて、境遇が似ていることから、仲が良くなるのに時間はかからなかった。


「汐映(キヨエ)、何か食べてこうよ」


幼なじみの伶(レイ)が私のクラスにやってきて、向かいの席に座る。
伶は真っ黒でつやつやの髪の毛と、きれいな顔立ちでモテる。

「えー、私も行きたーい」

「・・・・・・・」

伶は咲のことがあんまり好きじゃないらしく、咲が笑顔で近づいて来た瞬間、ムッとした空気になる。
そんな空気にも気づかず、咲は話し続ける。


「誰か他に男子も連れて行こうか?汐映はさぁ、もうちょっと積極的になったほうがいいよ」

「ちょ・・・・・」

「そんなんじゃいつまで経っても彼氏できなくて、一人ぼっちになっちゃうよ」


ひとり・・・・ぼっち・・


「いい加減にしてよ!!!」


伶が声を荒げて言う。