大トリを飾るリレーだけは変なシステムで、軍対抗じゃなくて学年対抗で行われる。
1学年2グループずつ6走者出るので、1学年から36人、つまり1クラスから6人選出される。

これが何を意味するのかというと、このリレーは軍の得点には関係ないってこと。
大トリなのに。


1年のアンカーは羽瀬を誰か。
2年のアンカーは陽都と静。
3年は知らない人だった。



羽瀬と陽都がほぼ同時でバトンを受け取って、それを静が追い上げて接戦だった。
結局、陽都が1位、羽瀬が2位、静が3位だった。
そして最終的には伶の軍が優勝した。


でも私は
ほとんどそこに心を置いてなかったような気がする。

耳が痛くなるほどの歓声も、耳には届いてなかった。

あれは間違いなくあの女(ヒト)だった。
私たちを捨てたあの母親だったひと。

それが何故咲と一緒に?
隣には笑顔が咲と少しに似ている男性。
あれはきっと咲の父親。


あぁ、これは確実だ。
今あの人は、咲の母親。
咲の父親の再婚相手は、私の母親だった人。


信じられないけど、きっとそう。