「ちょっと、ここにいてもいいですか?」

「え?あっ・・・うんっ、いいよいいよ!」


保健委員のテントは、グラウンドで一番木の多いところに設置されている。

木陰とテントのおかげでかなり涼しい。


騎馬戦の後、陽ざしに耐えられなくなった私はそのテントに避難して、保健委員と思われる男子生徒に声をかけたわけだ。


ここは色んな人が見渡せる。
そんな風に思って、意味もなく周りを見ていたとき、伶たちが来た。


「氷、もらえる?」

「は・・・っはい!」


陽都が顔を真っ赤にした保健委員の女の子からもらった氷を体に当てる。
それを奪おうとした静ともみ合いになって、伶に怒られる。
そんな様子がおかしくて笑う。


その視線を動かした瞬間に、体が固まった。



「どうしたの?」








お母さん