そして、これが

今日アタシがココに来た理由。


「・・・捨てた」

テーブルの上に、うどんを並べながら、アタシ。

「捨てた!?捨てたってアンタ、お断りするなら一週間以内に身上書も写真も返すのが礼儀でしょう。どうすんの?」

そう、だから多分、ツバサくんも、あの時アタシに聞いてきたのだ。

「どうもしない。アタシはそういう礼儀も何もないオンナなの。だからお見合いの話なんて、もう持ってこないで。無理」

「無理って何が・・・大体アンタもうすぐ28でしょう。いつまでも一人でいたってしょうがないじゃない」

「しょうがないかどうかはアタシが決める」

「アンタが一人で決めるもんじゃない。それに・・・」

「アタシもう大人だし!」

「ちょっとぉ、ユキ姉もお母さんもヤメテよ。うどんがさめるぅ」


熱くなるアタシと母の会話を切って、アユミ。

けれど、それが余計に母の気に触ったらしく。


「お母さんからしたらいつまでだって子供です。大体ユキがそんな風にいつまでたってもフラフラしてるから、ユミまで薬学部になんていって・・・」


と、アユミにまで小言を呟きながら

コン、と、音をたてて七味を置くと

はぁ・・・と、わざとらしく溜息をついて見せた。