嬉しそうなサクラを見て、何故かアタシの頬が熱くなる。
近付いてやっと解るくらいの・・・ほのかな、やわらかい香りに、アタシの胸はトクリと鳴った。
恋じゃない。
愛でもない。
アタシが年下なんかに、惚れる筈がない。
でも・・・
でも、キミがいなくなることを考えただけで、アタシはこんなにも不安になるの。
ツバサくん
ねぇ
ツバサくん
あなたは、だぁれ?
アタシを良く知り、サクラがコロコロと喉を鳴らす
不思議な不思議なオトコノコ。
ねぇ
玉子焼きなんか、ずっとずっと、下手でいいの。
固い玉子焼きしか、焼けなくていいの。
だから・・・
だから
春の風のように、一瞬で
どこかへ消えて、しまわないでネ・・・?