向こうではあの人がまだかまだかと待ち構えている。
あの人に着いていく凌ちゃんサン。
あーあ。あたしがなにも思わないとでも思ったのかな?
「凌斗、秋穂さん?待ってるよ?
早く行けば?」
例え付き合いだとしても、日曜日くらいはあたしにくれたっていいじゃんか。
ワガママなのは分かってる。
でも、
あたしだって、凌ちゃんサンと一緒に居たいよ。
満面の笑顔はせめてもの抵抗。
名前呼びは特別なときだけ。
嬉しいときと、
悲しいとき。
「よしッ!!
センセーがおごってやろうじゃないか!!
他の生徒には内緒だからね!!」
凌斗が早く行ってくれないなら、
あたしがここから立ち去ろう。