なかなか返事ができないあたし。
なんだろう、なんかこの人は…イヤだ。
今まで凌ちゃんサンに引っ付こうとする女の人たちは平気だったのにな。
「希美?」
「あ、ううん。…いってらっ」
「あれー?のぞみセンセーじゃん?」
これも付き合いと言うやつだと、モヤモヤしながらも笑顔で見送ろうと思ったら思わぬ声が聞こえた。
「西野くん?!とひぐち君!!」
あたしの後ろから色素の薄い茶色の髪と、染め直したばかりの黒髪の二人組。
「センセー良いところに。
オレたち腹がペコリンコなんです。」
いやペコリンコって。
「希美、こいつらは…?」
凌ちゃんサンが怪訝な顔でこっちを見ている。
まぁいきなりヤンキー君×2が親しげに話しかけてきたらそうもなりますよね。