別に結婚したくないとかそう言うことじゃないんだけど、でもさ、なんか、こう…



「なら、もうなんだっていいんじゃん?素直に喜びなよセンセー?」



だってだって!
プロポーズなんて一生に一度の大切なものじゃないの?!なのに、こんな感じって…



「オレは、センセーの大切な瞬間に立ち会えて嬉しいけどなー?」


すごく綺麗な笑顔でそう言ってくれるひぐち君に心があったかくなるのを感じた。

ひぐち君や…
君はなんて良い奴なんだ。


君を見ていると、場所とか、雰囲気とか、そんな些細なこと気にして騒ぎ立てたあたしがまるでアホのようだ。



「…そうだよね。これは、みんなが見届けてくれた保証人みたいなものだよね!
あたしも、この瞬間にみんなが居てくれて嬉しい。」



そうは思ったもののやっぱり少し恨めしげに凌ちゃんさんを見てしまうのは許して欲しい。



「…凌ちゃんさんは、後でお話がありますけど。」


その言葉に凌ちゃんさんが小さく返事をしたのをしっかりと聞いた。