ひとしきり笑ったあと、ミミとタクトは空を見上げていた。
さっきまでてっぺんにあった満月は、少し落ちていた。
「ミミちゃん、一つだけ話したいことがあるんだ」
聞いてくれる?と言って、自分の手をミミの手に重ねた。
「うん」
実は、少しだけ嫌な予感がしていた。
これから話す内容を、ミミにはなんとなく分かっていたから。
「ちょうど一週間くらい前かな。僕は森の中にいたんだ」
それは、ミミとタクトが出逢った日だ。
「森のちょうど真ん中くらいでね、不思議な女の子を見たんだ。足に紐が引っ掛かっていてね、僕はその子を助けてあげた」
それは、まぎれもなくミミのことだ。