「なんかよく分かんないけどさ、辛かったんだろ?あの歌うたうの」 そう言って、あたしのあたまを撫でつづけてくれる。 目の前にある顔が、優しくて、哀しくて。 おちる涙が止まらない。 「どうして嫌いなの?あの歌」 どうして―――― 初めて作った、大切な歌。 メロディーも、幼かったわりには、いい感じにつけられたと思う。 それなのに嫌いなのは――――――