「んで？涼宮奏花さん？俺の作曲はご満足いただけましたか？」





蓮川祐希はふわりと笑って、あたしを見つめる。






……悔しいけど。









「大満足です」









あたしが、この優しいメロディーに聞き惚れていたことも、この人のことを天才と思ったのも事実だから。







「そっか。そりゃあよかった」



蓮川祐希は、なぜか達成感いっぱいの顔で、うんうんとうなずいている。




「……なんで、あんたがそんな嬉しそうなの？」






不思議。






満足するのはこっちなのに、この人はあたしが満足したことに満足しているようだ。